[ひとり言] 5人のオンナ
春らしい陽気の本日
手作りのパン(店主じゃないよ、お客さんの)とサラダほうれん草の温玉添えとアボカドと豆のスープです。
少しずつ春めいてきて、野菜もサラダで食べたくなってきた本日
<一人目のオンナ>
とても懐かしい人が訪ねてきてくれました。
5年前、陶芸教室で一緒だったTさん
店のドアを開けてたたずむ彼女、名前を聞くまで誰だか気づかなかった店主に「入ろうか、やめようかと店の前でずいぶん迷ったの。私、あなたにひどいこと言っちゃったから…」
えっ?なんだっけ?何かあったっけ?と全く思い出せない店主に、「あなたが気にしていないならいいの」とすまなそうに笑う彼女。
「太ったわ~」「お互いねぇ」とりとめのない話をしながらの時間が過ぎ、彼女は肩の荷を下ろしたようなすっきりとした顔をして店を後にしました。
<二人目のオンナ>
着物を着たような桜餅と
乙女餅という名前のついた豆大福かな
トッピングは、手作り(店主じゃないよ、お客さんの)のぽんかんのピール
「ひな祭りだから」と言って彼女は、和菓子の入った袋を店主に差し出した。
何がきっかけだったか、飛行機の飛び立つ姿が好きだとか、ずっと見ていられるよね、とか、そうそう昔デートで飛行機を見に行った話から昔話に花が咲き「若いころ、今でいうセクハラ・パワハラの毎日で、ココロが折れてしまったこともあるの」堰を切ったように自分の過去を話し出す彼女の言葉をひとつずつキャッチしては、考え、かえしてはうなずいた。
気づいたら閉店時間になっていた。
<三人目のオンナ>
乙女餅のトッピングに使わせてもらったぽんかんのピールを「とてもおいしいのよ、だんなが作ってくれたの」と言って差し出した彼女。
同僚が突然、職を離れることになり、送別の品を探しにきたといっていた。
「とても急な話で・・・」という彼女は少し寂しそうだった。
<四人目のオンナ>
「また、食べて」と買い物が終わり差し出されたお菓子は、「ひな祭りだから春の色よ」と彼女は優しく微笑んだ。
この前、家の階段で足を滑らせて背中と頭を強打しちゃったと照れ臭そうに話す彼女。
「お互い足元を気を付けるお年頃だもんね」と、以前自転車で大転びをした店主を気遣ってくれた彼女は、「痛みもひいてやっと来れたわ」と笑顔で手を振って汐汲み坂を下って行った。
店主と同年代の彼女たち
ボクノワタシノがなかったら、たぶん絶対に出会うことがなかった人たち
若いお客さんと話をするのも楽しい
人生の先輩に話を聞くのも楽しい
同じ時代を生きてきた同年代の彼女たちと話すのはもっと楽しい
そういう人が増えてくるシアワセが店を続ける店主のモチベーションになっているのです。
あっ、五人目のオンナ(;’∀’)
ん~
も~
うるさいにょ~今日は実家に帰らせてもらうなり
春めいた風が心地よいひな祭りでした