店主、想像劇場~パピさん~
来月の健康診断までに、すこーしでいいから体重を落としたくて
自宅勤務の日は、食べる量をコントロール
いつもは2個だけど今日は1個にしてみた、パン。
が
所用でボクノワタシノ開店前に店まで行き、帰宅して
期間限定というワードに惹かれて買ってしまった桃のショートケーキを食す
これを「無駄な抵抗」という。
先日、引き出しの整理をしていて出てきた
パピさんの譲渡記録を読んでいたら、むくむくと想像してしまった。
店主、想像劇場~パピさん編~
2011年12月23日
もうすぐクリスマスという寒い日に、パピさんはお腹が空いて、空いて、どうにも空いて
捕獲機に入った。
場所は、福島県浪江町室原下太夫というところ
グーグルマップで調べたら、およそ
こんな感じのところだった。
人家はぽつぽつと見えたが、去る3月の原発事故から人は住んでいない。(現在は解除されています)
1才くらいに成長していたパピは、来る日も来る日も食べるものを探して野道をさまよう。
日中は、ひっそりと息をひそめて隠れ
陽が落ちると、ぽつぽつと歩き出す。
冬の野原に食べるものなどあるはずもなく
ゲコゲコ鳴いていたカエルも、威嚇の方法を教えてくれたヘビも、みんな冬眠している。
お腹
すいた
毎日、食べ物にありつけるはずもない。
何日も水だけでやり過ごした日もあった。
お腹
すいた
虫もいない
葉っぱも枯草になっている
川の水を飲むのも命がけだ
お腹
すいた
どれほどの時間をひとりでさまよっていたのか。
雨の日も風の日も、暑い夏も、寒い冬も
たったひとりで
生きるために食べられるものを探す
お腹
すいた
ガシャーン
捕獲機の入口が閉まる音
この籠は危険な匂いがしたけれど、お腹がすいて、すいて、すいて。。。
翌朝
人が来た
籠の外から、パピを見ている
バタン
車に乗せられた
これは何?こわい、こわい、こわい、こわい、こわい。。。
ヘビに教わった威嚇をしてみる
シャー
シャー
・・・
・・・
・・・
あれから、8年が経ち、もうすぐ9年になる
パピは年を重ね、熟女となった
雨にも濡れない、ふこふこでさらさらのシーツの上で、寝ぼけ眼を店主にむける
お腹
すいた日々は遠い昔となり
虫の味も忘れていてほしい
そんな境遇に同情したせいで
パピは
スーパー偏食にゃんとなる(;’∀’)
今日もごはんを食べられて、よかったね
あら?そのカリカリはお口に合いませんか?
じゃ、今度、違うものを買ってみようかね。
お腹
すいた
その感覚を忘れてしまっているのなら、偏食でもなんでもいい。
幼少期、人と接することがほぼなかったと思われ、人間という生き物をなかなか理解ができない。
あの何もない野原で生き抜くことだけを目的に生きていたんだ。
本名は、パピコ
今度の冬がくると10才になる。
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「LOVE石垣展」
てまひまの山口さんの陶板皿は、ご予約となっています。
今回、ご本人はコロナの影響を鑑みて在店は取りやめましたが、神奈川県内にお住いの弟さんがお立ち寄りくださいました。
ありがとうございます。
ソーシャルディスタンスをキープして、展示会残り2日、よろしくお願いします。